2023/05/18 15:33
植物にとって、土は「家」のようなものだと言われます。
特に、鉢植えの観葉植物にとっては、鉢の中の土だけが頼りになるため、できるだけ植物に合った良い土を選びたいものです。
今回のブログは「土」をテーマに、その役割や観葉植物用の土の上手な選び方をお伝えします。
植物にとって大切な土の4つの役割
土は植物のすこやかな生長に大きな役割を果たしています。代表的な役割としては、次の4つが挙げられます。
1.栄養素の供給…土壌中には、植物が必要とするチッソ、リン酸、カリウムなどの栄養素が含まれています。植物はこれらの栄養素を使って成長します。(鉢で育てる場合には、これらの栄養素は土だけではなく、肥料で補う必要もあります)
2.水分の供給…もし土がなければ、水分は吸収される前に流れていってしまいます。
良い土は団粒構造と言って、土が粒状になっています。(下記写真をご参考ください)
粒と粒の間に小さな隙間があり、そこに水分が溜まるので、根は必要な水分を吸収することができます。
3.酸素の供給…土壌中には植物が必要とする酸素が含まれています。
水分と同じように、酸素も土の小さな隙間に入り、根から吸収されます。
4.根を支える…植物は土にしっかりと根を張ることで、地上部の茎や葉を立たせています。
土は、植物全体を支える大切な土台です。
観葉植物にとって最適な土とは?
土は植物にとって大切な役割を果たしていますが、そのためにはどんな土でも良いというわけにはいきません。
観葉植物の場合には、次のような条件を満たした土が理想的です。
①水はけが良い
②通気性が良い
③適切に栄養素が含まれている
④弱酸性の土
⑤保水性が良い
条件がいくつもありますが、団粒構造をもった土であれば、それだけで①②⑤を満たします。
他に気をつけることは、③栄養素が適切に入っていること、④弱酸性であることです。
(植物の種類により、酸性やアルカリ性の土を好む場合もありますが、観葉植物の場合はほとんどが弱酸性の土を好みます)
まず、市販品を使ってみましょう!!
植物を育てるために、前述したような団粒構造を持つ用土が一番理想的ですが、自分で作るのはなかなか大変です。
何種類かの土の割合を考えながらブレンドし、肥料も計って加えたりして、植物の種類に合わせたpHにしなければなりません。
慣れている方は、ぜひ挑戦していただきたいのですが、植物を始めたばかりの方は、まず市販されている「観葉植物用の土」を使っていただいても全然大丈夫です。
ただし、売られている土なら何でも良いわけではありません。
続いて、観葉植物用の土を選ぶときのポイントをお伝えします。
観葉植物用の土を選ぶポイント
最近では、100円ショップでも園芸用の土が売られていますが、安価なココピート(ココナッツの殻の繊維)から作られた商品もあり、注意が必要です。
ココピートは有機質で虫が発生しやすく、室内で育てる観葉植物には不向きです。
また、ココピートは保水性が高いため、根腐れしやすくなることも心配です。
一方、大手のメーカーが出している観葉植物用の培養土は、赤玉土、鹿沼土などの基本の土に、パーライト、ピートモスなどがブレンドされています。そのため、水はけが良く、根腐れを防ぐことができます。
有機質の割合も少ないことから虫の発生を抑える効果もあります。
さらに、肥料も植物を傷める恐れがない分量が配合されています。
初心者の方はまず大手のメーカーが出している観葉植物用の土を使った方が安心でしょう。
※多肉植物の場合は、観葉植物よりも排水性が重視されます。多肉植物には「多肉植物用」の土を選んでください。
心をこめた土選びで、植物に快適な環境づくりを!
鉢植えで育つ観葉植物にとって、土は私たち人間が思う以上に重要なものです。
植物は、困ったことがあっても言葉にすることができません。
そんな植物たちのために、心をこめて土を選んでみてくださいね。
慣れてきたら、植物の種類や状態に合わせて、土を自分で配合するのも楽しいと思います。
ボーレプランツの植物は、すべて植物一つ一つに合わせて配合したオリジナル用土への植え替えを済ませています。
購入後の植え替えのご心配なく、植物のある暮らしをお楽しみください。